セブの囚人ダンス

“囚人”という言葉を聞くと監獄の檻の中にいる男女を思い浮かべます。しかし、その囚人たちがダンスをし、そのダンスを観覧することができ、様々な国の人々を感心させているなんて、今まで聞いたことがありますか？

踊る囚人たちと、わくわくして見物する観客たち

数週間前、私と友人は囚人ダンスのライブをセブ島刑務所（CPDRC：Cebu Provincial Detention and Rehabilitation Center）へ見に行くことができました。

ＣＰＤＲＣの門

囚人ダンスについて

囚人ダンスはＣＰＤＲＣの１０００人以上の囚人によるダンスパフォーマンスです。２００７年の７月にマイケルジャクソンのスリラーを踊るビデオがYou Tubeに投稿され、瞬く間に有名になりました。彼らのダンスパフォーマンスは囚人のセキュリティコンサルトをやっているバイロン・ガルシアによって、ダンスを通して行われる更生プログラムの一環として始められました。囚人の１人は地元紙のインタビューで、ダンスは退屈をしのぐことができると答えています。また、ＢＢＣのニュースレポートでは、“リベンジをすることや愚かなこと・・・たとえばどうやって脱獄しようかとか、ギャングに入ろうか”ということよりも、ダンスのルーティーンを考えることに、囚人たちの心は興味が向くようになったと伝えています。

マイケルジャクソンのヒット曲を踊る囚人たち

マイケルジャクソンのスリラー以外にも、国内外の様々な音楽に合わせてダンスをしています。私たちが観覧したときは、ＰＳＹの江南スタイルや、有名なスリラーを含むマイケルジャクソンの楽曲などたくさんの曲に合わせてパフォーマンスしていました。

ダンスパフォーマンス

パフォーマンスの公開は毎月最終土曜日の午後３時より行われます。ＣＰＤＲＣのゲートは午後１時より開きます。ゲートをぬけたあと、私と友人は受付をしにデスクに向かいました。フィリピン人以外にも、アメリカ人・日本人・韓国人・台湾人そして何人かヨーロッパ人などたくさんの外国人が囚人ダンスを見に来ていました。訪問者の中には、政府の職員や、セブ以外の地域から来た高い地位の人々もいました。

全ての訪問者は受付で名前を書き、ビジターＩＤを受け取ります。

受付が終わると、セキュリティーの目的でビジターＩＤを受け取ります。その後、パフォーマンスが行われるグラウンドに進むことができます。観覧のために、上のフロアで見るか下のフロアで見るか選ぶことができます。私たちは下のフロアを選び、そこは囚人たちがわずか３メートルほど先でパフォーマンスをする場所でした。私たちが到着したとき、囚人たちはオレンジ色のユニフォームを着て、午後３時になるのを座ってスタンバイしていました。暑い午後でしたので、テントはすでにセットされていました。テントの下にはベンチとテーブルがあります。

左→右へ
１． お祈り　２．江南スタイルのパフォーマンス　３．スリラーのパフォーマンス

プログラムはお祈りと国歌斉唱からスタートします。そのあと、ダンスパフォーマンスが始まります。プログラムの終盤では、観客は囚人たちと１曲一緒にダンスをし、写真を撮れる機会があります。

左：アメリカ人の観光客が司会者からインタビューを受けています。
右：観光客が囚人と一緒にダンスをしています。

ＣＰＤＲＣへの行き方

ＣＰＤＲＣは小高いカルナサン・バランガイにあります。ここに行くには３通りの方法があります。一つ目は、予約をし無料バスに乗る方法です。二つ目は、タクシーに乗る方法ですが、値段は高いです。三つ目は、私たちが選んだ方法です。キャピトル（州政府庁舎）までルートコード１５番のジプニーに乗って、バランガイホールの前で降ります。そして次はハバル・ハバル（公共交通機関のバイク）に乗りました。私たちが払った交通費は全部で３０ペソでした。ＣＰＤＲＣの入場は無料なので、交通費だけを考えればＯＫですね。

左：私たちはＣＰＤＲＣまでハバル・ハバルに乗りました。
右：観光客もメインの通りまで同じようハバル・ハバルに乗っています。

通常、帰り道はハバル・ハバルに乗ります。タクシーはＣＰＤＲＣまで来ないためです。メインの通りまではハバル・ハバルで２０ペソほどです。そして、メインの通りからタクシーやジプニーに乗り、目的地まで行くことができます。