試験攻略の基本は「レベル別単語」と「テクニック攻略」にあり!試験場で120%の結果をたたき出す学習法を紹介


英語学習イメージ

こんにちは!教育家の石橋勇輝です。
今回の連載では、
・英語をゼロから学びなおしたい方
・お子様の英語力をアップさせたい方
に向けて、「ゼロからの英語学習法」と題してお送りします。
連載第4回では、
「試験対策」にフォーカスして、
・留学でTOEFLスコアの提出が必要だけど、目標スコアになかなか到達できない…
・会社で英語の試験があるけれど、短い時間でどうやって対策したらいいかわからない…
・英語の基礎力はあるけれど、試験本番で実力を発揮できるか不安…

そんなお悩みをお持ちの方に向けて、とっておきの内容をお届けしていきますね。

石橋勇輝のプロフィール:小4から公文で英語を始め、留学経験ゼロで中3で英検一級を取得後、TOEIC990点三年連続取得。iELTS 7.5、TOEFL108点。また、家庭教師として数百人の小中学生を個別指導し、駒場東邦や開智をはじめ難関中学校に多数合格させ、英検準1級~5級まで合格に導いた経験を持つ。

目標スコアの設定

どんな試験を受ける際にも言えることですが、まずは目標スコアを設定しましょう。
この際、「全体で〇〇点」というのももちろん良いのですが、できれば各セクションにおける具体的な目標点数を設定してみることが重要です。
ここで重要な視点は、得意分野を伸ばせるポテンシャルと、苦手分野を改善できるポテンシャルのバランスをうまく見定めることです。多くの方は、「リスニングが苦手だからリスニングをアップしたい」と考えがちですが、実際には得意なリーディングの方でまだまだ伸び代があって、そこを伸ばした方が効率が良いことも多いです。また、苦手分野に集中しすぎると、全体としてモチベーションが低下してしまい、そもそもの学習時間がついつい減ってしまうことも多いですね。もちろん、苦手克服によって圧倒的に点数が伸びることも多いので、「自分の能力を俯瞰して見る目」を鍛えていくことが重要ですね。
たとえばTOEICなら、リーディングとリスニングという区別はもちろん、Part1~7まで、さまざまな技能のさまざまな側面を問うパートに分かれています。そこで、各パートで何点を取るのかを明確に目標設定します。そうすることで、どのパートの対策に重点を注ぐべきかが明確になり、次の具体的なアクションに自分を駆り立てることができます。
試験日という「期日」と、目標スコアという「ゴール」が設定されることで、眠っていた無意識が働き始めます。

まずは紙の「特化型単語帳」の購入から

目標点数を設定したら、次は単語帳選びです。
本屋さんの単語帳コーナーを見ると、驚くほどたくさんの種類の単語帳があることに圧倒されますよね。(最近はAmazonで検索すればお望みのものに一発で到達できてしまいますが。)
社会の多様なニーズに応えて、たくさんの英語資格試験が存在します。英検やTOEFL、TOEICなど、同じ「英語力」と言っても、それぞれの試験が求めるスキルは千差万別です。
だからこそ、試験対策を始める際は、その試験の対策に特化した単語帳を購入することから始めましょう。
カードゲームで言うならば、まずは自分の「デッキ」を揃えるようなイメージです。あるいは、占いで言えば、まずはタロットカードを購入しないと始まらないようなものですね。
最近では、たくさんの英単語を掲載したアプリや、ウェブ版の辞書から自分なりに単語を抜粋して単語帳を作れるサービスなども出てきているようですが、私は紙でできた「特化型単語帳」がいまだに最も効率がいい学習方法だと確信しています。
なぜなら、たとえ同じ単語であったとしても、その試験が求める用法が掲載されているかどうかは怪しいからです。
具体例を挙げてみると、「mean」という単語には少なく見積もって6つ以上の意味があります。
「意地悪」「本気で言う」「意味」「中間」「平均」「手段」。
もしこれがビジネス英語の力を測定するTOEICであれば、「意味」や「手段」といった日本語と対応づけておく方がいいでしょう。
一方で、数学的な英語力を測定する技術英検であれば、「平均値」と言う数学的な意味が最も重要ですね。
はたまた、日常会話が重視される英検であれば、「意地悪」「本気で言う」といった表現を知っているかで大きく差がつくに違いありません。
このように、「mean」という単語一つをとっても、どの資格試験を受けるかで、どの意味を重点的に覚えるべきかが変わってくるのです。
このような「意味の取捨選択」を、1000単語以上の出題範囲にわたって行うのは膨大な知的作業です。AI化が進む今の時代、自分でやることも不可能ではないですが、ただでさえ忙しい学生やビジネスマンの方であれば、せいぜい千数百円でこれらの作業を短縮できるのであれば、安いものでしょう。特化型単語集は、過去問の膨大なコーパスの中から、出現頻度の高い単語とそれに紐づく意味を抽出して作られているので、その意味で非常に知的な時間節約になる、という点を強調しておきたいと思います。

テクニック攻略

単語帳を手元に揃えたら、次は自分がスコアを伸ばしたいセクションに特化した「テクニック本」を探しましょう。
ゲームで言えば、攻略本のようなものです。たとえば、ニンテンドーの「スーパーマリオブラザーズ」では、ステージに合わせた攻略方法や裏技を掲載した本が「攻略本」として出回っています。ボタン連打の速度を早めたり、コントロールスティックの動かし方の精度をあげたりといった技術的な側面を磨く方法ももちろんありますが、やはり各ステージの局面ごとの裏技を知った方が、圧倒的に効率がいいですよね。「知は力なり」です。
TOEICやTOEFLでは、かなり「痒い所に手が届く」レベルで、細かいテクニックに特化した本が販売されています。
たとえばTOEICでは、画像を見て状況を説明するPart1の問題と、二人の会話を聞いて応答を推測するPart2の問題では、同じリスニングの問題といっても対策の仕方や求められるスキルが全く異なります。前者では画像から認識した内容を抽象的な英単語に変換する能力、後者は会話の文脈を追って疑問詞を聞き逃さないようにする能力が求められます。漠然と「リスニング力」といっても、全く異なる能力の寄せ集めなのです。
そのため、自分が立てた目標に到達するためにはどんな能力を鍛える必要があるのかを明確に把握し、そこに全精力を上げてフォーカスすることが重要です。そうすれば、長くても一週間くらいで、ある特定の分野における点数は目に見える形でアップするはずです。そのプロセスを繰り返していきましょう。

過去問をやりこむ

テクニック演習が仕上がってきたら、あとは過去問をやりこむ段階に入ります。
過去問をやる際は、同じものを繰り返しやるよりかは、毎回違う問題で腕試しをした方が良いと思います。なぜなら、英語の資格試験は基本的に選択式であるため、2回目以降だと答えを覚えている可能性が高いからです。
英検については、直近3年分の過去問が公式サイトに掲載されていますし、過去問集も販売されています。
また、TOEICやiELTSについては公式問題集が3,000円レベルでなかなか手が出ない方もいると思いますが、今回はそんな方にとっておきの無料学習サイトをご紹介します。
こちらは「Stark Camp」というベトナム系企業の提供するサービスで、無料会員登録するだけで、ウェブ上でTOEICなどの資格試験の大量の過去問に無料で取り組むことができます。問題はセクションごとに時間とスコアが計測される仕組みになっているため、隙間時間にも取り組みやすいです。
アプリなどで、TOEIC対策を銘打つものも多いですが、過去問そのもののフォーマットで取り組めるものはなかなか少なく、国内提供のアプリはサブスク料が非常に高額なのが玉に瑕。
東南アジア圏は英語熱が日本よりも高いので、向こうで開発されたプラットフォームを探してみると、よりよりサービスが見つかる可能性が高いです。

 いかがでしたでしょうか。次回は、資格試験でも苦手な方が多い「面接」を攻略するための対策法について解説していきます。お楽しみに!